「落花の雪に踏み迷う」/久我有加

落花の雪に踏み迷う (ディアプラス文庫)

落花の雪に踏み迷う (ディアプラス文庫)

なんと、大正時代の花街が舞台! 久我有加の作品は、ライトな現代ものというイメージがあったので、本屋であらすじを見て驚きました。正直、時代物を書ける力量もあるかどうかあやしいと思っていたし。
でも、実際に読んでみたら、文体とかも大正時代に違和感がなくて、普通に読めました。見くびっててごめん…。相変わらずの関西弁も健在。
ストーリーも面白くて、ぐいぐい読めた。仕事帰りの電車で読んでて、家に着いても続きが気になって最後まで読んでしまった。
この本には、表題作とその続き2話の計3話が収録されているんだけど、表題作だけでも良かったかな…。続きの話は、ご都合主義というか、うまく行き過ぎだろーってかんじで、少し興ざめ。
表題作は、ばっちりだったんだけどなー。達臣(攻)が主人公以外には冷酷なところとか、そうとわかっていても、その達臣に惹かれてしまうところとか、私のツボでした。